京の仕出しの底力

久々に京都へ。一年ぶりだ。

紅葉には早い10月末にもかかわらず、観光客の多いこと。日本人はもちろん、欧米系、アジア系もすごい。まるで銀座か秋葉原。

入洛の目的は年に一度開かれる、とある集まり。いつもはホテルの宴会場やレストランが会場なのだか、今回は幹事のアイディアで、小さな「会館」に部屋を借り、料理は仕出しをとった。

この仕出しがいい。本当によかった。

「脱帽! まいった! 旨い!」

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左上小鉢には、蛇の目に包丁を入れたきゅうりと白身魚の酢の物、右のお造りは鯛、鮪、烏賊。中央に焼き物などが吹き寄せ風に盛られ、菊花と青菜の煮浸しが添えられる。右下は煮物で、飛龍頭、里芋、大徳寺麩 、湯葉など。物相飯と香の物が左下に。

さらにこれに、鱧と松茸の吸い物が付く。

品数豊富で華やかで、季節感があり、ボリュームも申し分ない。

値段を聞いて、驚いた。この料理一式、なんと3,000! どう考えても倍近くの値打ちがある。「脱帽! まいった! 旨い!」に「安い!」を加えねば。

「脱帽! まいった! 旨い! 安い!」。

いやもちろん、最高級の京料理と比べれば、それなりの部分もなくはないが。たとえば、出汁はとびきりの一番出汁ではないし、最上級の食材ばかりでもない。でも二番は二番なりに(この料理のことです)、味に一切ごまかしがない。本物の京料理、しごく真っ当な京料理がここにある。

料理を届けてくれたのは、西陣の街中、表通りから少し入ったところにある「あこや」(あは「阿」、こは「古」の変体仮名)。地元で長く愛される店だ。

京都では、来客の折に、法事や祝いの席に、また普段の食卓にも仕出しをとる(弁当の場合もあれば、器に盛った料理の場合も)。その味を、旅行者が経験できないのが、なんとも残念。

ちなみに、「あこや」のことをWebで検索していたら、京都在住のエッセイスト麻生圭子さんが、あこやのおせちを絶賛していた。あこやのおせち、私のイチオシは龍飛巻きです。

2015-11-14 | Posted in コラムComments Closed 

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