新しい香港を探しに…(2)

◎鑽石山と調景嶺、そして階段落ち!?

聘珍楼経営の「名都酒楼」で伝統スタイルの飲茶を楽しんだ翌昼、こんどは正真正銘「聘珍楼」の名を掲げるレストランを訪れました。こちらは今風のスタイル、「テーブルの用紙にチェック方式」をとっています。

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中の具が熱々の春巻きは、こんがりきつね色に揚がった皮がおいしいく、噛んだときのパリッサクッの音もごちそうです。エビ餃子、鶏の足の揚げ蒸しも、期待通りの味。

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ちなみにこの店があるのは、地下鉄の鑽石山(ダイヤモンドヒル)駅上に建つ「プラザハリウッド」というステーションビル。以前この地にはゴールデンハーベスト社という映画会社の大スタジオがあり、香港映画を世界に向けて送り出していました。東京でいうところの大泉撮影所、京都の太秦撮影所といった感じでしょうか。都心から少し離れた郊外にあるのも、大泉や太秦に似ているかもしれません。そんな映画の街だから、駅ビルに「ハリウッド」と名前がついているのかなと、勝手に想像してしまいました。

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そして、鑽石山駅で思い出すのがスラム街。スラムというのは言い過ぎかもしれませんが、トタン屋根のバラックが、駅から続く山の斜面に何十、何百と張り付くように並ぶ、それがダイヤモンドヒルの景色だったのです。余談ですが、そんなスラムの中にある四川料理の店が、「香港でもっとも本格的な四川料理を食べさせる店」として1980年代には名を馳せていました。「詠藜園」といいます。婦女子(?)が足を踏み入れるにはかなり勇気がいるようなシチュエーションの中、トイレもない簡素な作りの店で食べる料理は、たしかに超辛く、超油っぽく、味は濃く、広東料理とは真反対の本格四川料理だったと舌が覚えています。

そのスラム街が今はどうなっているか気になり、昔の地図と現在の地図を重ね合わせてみると…、なんと、このプラザハリウッドこそが元のスラム街なんですよ。住環境の近代化は住民にとって理想であり希望でしょうが、数年に一度訪れる旅人は、「以前の方がよかったのに」と勝手に昔を懐かしむのでした。

で、見出しの「階段落ち」ですが、場所は地下鉄の調景嶺駅へと移ります。

ここは香港が英国領だったとき、国民党の村があった場所。青天白日満地紅旗がはためいていた村です。幹線道路からクルマで直接村に乗り入れる道もなく、都心への交通手段は香港島に渡るフェリーだけという過酷な環境は、落人の村そのものでした。

久々に訪れてみるとダイヤモンドヒルの変化同様に、この村もすっかり様変わりしていました(フェリーじゃなく、地下鉄で行けることにまずビックリ!)。海沿いにあった村は完全になくなり、さらに埋め立てで土地を増し、「香港知事設計学院」という専門学校の超巨大な校舎がそびえ建っています。

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「階段落ちで死ぬ」のは、この校舎の屋外エスカレーター。地上階からビルの上の方にあるエントランス階まで、一直線に続く長い長いエスカレーターは途中に踊り場もなく、もしも上の方で足を踏み外そうものなら、下までイッキに転げ落ちること間違いありません。銀ちゃんを慕う不死身のヤスも、無事ではすまない恐怖の動く階段です。
設計学院の建物がこんなに危険で、いいのかなあ〜?

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2015-03-06 | Posted in コラムComments Closed 

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